異業種転職で採用側が見ているのは「物流経験」ではない
経験から始まる思考
異業種転職を考えるとき、多くの人は自分の「経験」を中心に話を組み立てます。通関年数、担当した案件、扱ってきた貨物、トラブル対応。どれも事実であり、物流業界の中では十分に意味を持ちます。ただ、採用側の視点に一度だけ立つと、見え方は変わります。
採用側に先にある前提
採用の場では、まず「欠員をどう埋めるか」「組織のどこに置くか」が先にあります。
求められるのは、特定の経験そのものではなく、現在の組織構造にどう組み込めるかという点です。物流経験は、その判断材料の一部でしかありません。経験が豊富であるほど評価される、という単純な構図にはなりません。
共有されていない知識
異業種では、物流の前提知識が共有されていないことが多くあります。
インコタームズやリードタイム、港ごとの癖といった話は、説明しない限り伝わりません。説明すれば理解はされますが、「理解されたこと」と「即戦力として評価されること」は別です。採用側は、説明コストと学習コストを同時に見ています。
年齢によって固定される役割
また、40代という年齢は、役割の期待度が高いです。
若手のように「伸びしろ」を理由に配置を決めることは少なく、入社直後から一定のアウトプットを求められます。そのアウトプットが、物流経験そのものと直結しない職種の場合、評価軸は経験年数ではなく、別の能力に移ります。調整力、社内折衝、数字への責任、チームへの影響。これらは物流経験と重なる部分もありますが、同一視はされません。
配置可能性という視点
採用側が見ているのは、「この人が何を知っているか」よりも、「この人をどこに置けるか?」です。物流経験が強みになる場面もありますが、それは採用側の課題と一致した場合に限られます。一致しなければ、経験は過不足のある情報として扱われます。過剰であっても、不足であっても、評価は中立的に留まります。
感情解釈が生まれる地点
ここで起きがちなのは、評価されない理由を感情で解釈することです。実際には、否定でも軽視でもなく、単に判断軸が違うだけです。物流経験の価値が下がったわけではありません。ただ、評価の文脈が変わっただけです。
問いの位置
採用側の立場に立ったとき、40代の自分を雇う理由を言語化できるか?
結論を置かない構成
この記事では、結論や最適解は示していません。
それは、40代のキャリアや選択は、立場や条件によって前提が大きく異なるためです。
ここで何かを決める必要はありません。
読んだ内容を踏まえたうえで、考えるのをやめても、別の視点に戻っても構いません。
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